◆四難曰.
脉有陰陽之法.何謂也.
然.呼出心與肺.吸入腎與肝.呼吸之間.脾受穀味也.其脉在中.
浮者陽也.
沈者陰也.
故曰陰陽也.
心肺倶浮.何以別之.
然.
浮而大散者.心也.
浮而短濇者.肺也.
腎肝倶沈.何以別之.
然.
牢而長者.肝也.按之濡.擧指來實者.腎也.
脾者中州.故其脉在中.是陰陽之法也.
脉有一陰一陽.一陰二陽.一陰三陽.
有一陽一陰.一陽二陰.一陽三陰.
如此之言.寸口有六脉倶動耶.
然.
此言者.非有六脉倶動也.謂浮沈長短滑濇也.
浮者陽也.
滑者陽也.
長者陽也.
沈者陰也.
短者陰也.
濇者陰也.
所謂
一陰一陽者.謂脉來沈而滑也.
一陰二陽者.謂脉來沈滑而長也.
一陰三陽者.謂脉來浮滑而長.時一沈也.
所言
一陽一陰者.謂脉來浮而濇也.
一陽二陰者.謂脉來長而沈濇也.
一陽三陰者.謂脉來沈濇而短.時一浮也.
各以其經所在.名病逆順也.
四難に曰く.
脈に陰陽の法あり、とは何の謂いぞや?
然り、呼は心と肺とに出で、吸は腎と肝とに入る.呼吸の間に、脾は穀味を受くれば、其の脈は中に在り.
浮の者は陽なり.
沈の者は陰なり.
故に陰陽というなり.
心・肺は俱に(ともに)浮なるは、何を以て之を別つや?
然り、
浮にして大・散なるは心なり.
浮にして短・濇なるは肺なり.
腎・肝俱に沈なるは、何を以て之を別つや?
然り、
牢にして長なる者は肝なり.之を按じて濡(じゅ、なん)にして、指を挙げて来ること実なる者は腎なり.
脾は中州なり.故にその脈は中に在り.是れ陰陽の法なり.
脈に一陰一陽・一陰ニ陽・一陰三陽あり、
一陽一陰・一陽ニ陰・一陽三陰あり.
これ此のごときいうのは、寸口の六脈が俱に動ずることあるなりか?
然り、
これ言うことは、六脈俱に動ずること有るに非ざるなり.謂うは浮・沈・長・短・滑・濇のことなり.
浮は陽なり.
滑は陽なり.
長は陽なり.
沈は陰なり.
短は陰なり.
濇は陰なり.
謂うところ、
一陰一陽は、脈の来ること沈にして滑なるを謂うなり.
一陰ニ陽は、脈の来ること沈・滑にして長なるを謂うなり.
一陰三陽は、脈の来ること浮・滑にして長、時に一沈するを謂うなり.
言うところ、
一陽一陰は、脈の来ること浮にして濇なるを謂うなり.
一陽ニ陰は、脈の来ること長・沈にして濇なるを謂うなり.
一陽三陰は、脈の来ること沈・濇にして短、時に一浮するを謂うなり.
それぞれ其の経の所在を以て、病の逆順の名なり.
『難経』四難 VOICEROID+結月ゆかり