難経

 

二十七難


◆二十七難曰.
脉有奇經八脉者.不拘於十二經.何謂也.
然.
有陽維.有陰維.有陽蹻.有陰蹻.有衝.有督.有任.有帶之脉.
凡此八脉者.皆不拘於經.故曰奇經八脉也.

經有十二.絡有十五.凡二十七氣.相隨上下.何獨不拘於經也.
然.
聖人圖設溝渠.通利水道.以備不然.
天雨降下.溝渠溢滿.當此之時.霶霈妄行(作).聖人不能復圖也.
此絡脉滿溢.諸經不能復拘也.

二十七難に曰く.
脈に奇経八脈あるに、十二経に拘わらざるとは、何を謂うや?
然り.
陽維あり、陰維あり、陽蹻あり、陰蹻あり、衝あり、督あり、任あり、帯の脈あり.
凡そ此の八脈は、みな経に拘わらざるが故に奇経八脈と曰うなり.

経に十二あり、絡に十五あり、凡て二十七気は、相い随いて上下す.何ぞ独り経に拘わらざるや?
然り.
聖人は溝渠を図り設けて、水道を通利し、以って不然に備う.
天より雨降り下りて、溝渠は満溢す.この時に当たり、霶霈(ほうはい)妄行す(妄りに作る).聖人は復た図ることあたわざるなり.
これ絡脈が満溢すれば諸経も復た拘わること能わざるなり.