難経

 

二十九難


◆二十九難曰.
奇經之爲病.何如.
然.
陽維維於陽.陰維維於陰.陰陽不能自相維.則悵然失志.溶溶不能自收持.
陽維爲病.苦寒熱.
陰維爲病.苦心痛.
陰蹻爲病.陽緩而陰急.
陽蹻爲病.陰緩而陽急.
衝之爲病.逆氣而裏急.
督之爲病.脊強而厥.
任之爲病.其内苦結.男子爲七疝.女子爲瘕聚.
帶之爲病.腹滿腰溶溶.若坐水中.
此奇經八脉之爲病也.

二十九難に曰く.
奇経の病と為すは、如何に?
然り、陽維は陽を維ぎ(つなぎ).陰維は陰を維ぐ.陰陽が自ら相維ぐこと能わざるときは、則ち悵然とし志を失い、溶々(ようよう)として自ら修持すること能わざる.
陽維が病為せば、寒熱に苦しむ.
陰維が病為せば、心痛に苦しむ.
陰蹻が病為せば、陽が緩みて陰が急す.
陽蹻が病為せば、陰が緩みて陽が急す.
衝の病と為すは、逆気して裏急す.
督の病と為すは、脊強ばりて厥す.
任の病と為すは、其の内苦結し、男子は七疝と為し、女子は瘕聚(かしゅう)す.
帯の病と為すは、腹満して、腰は溶々とし、水中に坐するがごとし.
此れ奇経八脈の病と為すなり.