難経

 

三十難


◆三十難曰.
榮氣之行.常與衞氣相隨不.
然.
經言.
人受氣於穀.
穀入於胃.乃傳與五藏六府.五藏六府皆受於氣.
其清者爲榮.濁者爲衞.
榮行脉中.衞行脉外.榮周不息.五十而復大會.
陰陽相貫.如環之無端.
故知榮衞相隨也.

三十難曰く.
栄気の行(すす)み、常に衛気と相い随うやいなや?
然り.
経に言う.
「人は気を穀に受ける.
穀は胃に入りて、乃ち五臓六腑に伝与す.五臓六腑皆気を受けるに、
其の清める(すめる)者を榮と為し、濁れる(にごれる)者を衛と為す.
榮は脈中を行み、衛は脈外を行み、栄周して息まず(やまず)五十にして復た大会す.
陰陽の相い貫くこと、環(かん、たまき)の端無きが如し.」
故に栄衛は相い随うを知るなり.