難経

 

三十一難


◆三十一難曰.
三焦者.何稟何生.何始何終.其治常在何許.可暁以不.
然.
三焦者.水穀之道路.氣之所終始也.
上焦者.在心下下膈.在胃上口.主内而不出.
其治在膻中.玉堂下一寸六分.直兩乳間陷者.是.
中焦者.在胃中脘.不上不下.主腐熟水穀.
其治在齊傍.
下焦者.當膀胱上口.主分別清濁.主出而不内.以傳導也.
其治在齊下一寸.
故名曰三焦.其府在氣街.(一本曰衝.)

三十一難曰く.
三焦は、何れに稟け(うけ)何れに生じ、何れに始まり、何れに終わるや、其の治は常に何れの許に在るや、暁か(あきらか)にすべきを以てせんか?
三焦は、水穀の道路、気の終始するところなり.
上焦は、心下の下膈にあり、胃の上口にある.内れて(いれて)出さざるを主る.
其の治は膻中にあり、玉堂の下一寸六分、直に両乳間の陥なるもの、是なり.
中焦は、胃の中脘にあり、上らず下らずし、水穀の腐熟を主る.
其の治は齊傍にあり.
下焦は膀胱の上口にあたりて、清濁を分別することを主る.
其の治は齊下一寸にあり.
故に名づけて三焦と曰う.其の腑は気街にあり.