難経

 

三十九難


◆三十九難曰.
經言.
府有五.藏有六者.何也.
然.
六府者.正有五府也.
然.
五藏亦有六藏者.謂腎有兩藏也.
其左爲腎.右爲命門.
命門者.謂精神之所舍也.
男子以藏精.女子以、繋胞.
其氣與腎通.
故言藏有六也.

府有五者.何也.
然.
五藏各一府.三焦亦是一府.
然不屬於五藏.故言府有五焉.

三十九難に曰く.
経に言う.
「腑は五つあり、臓は六つあり」とは何ぞや?
然り.
六腑は、正に五腑あるなり.
然り.
五臓もまた六臓ありとは、腎に両臓あるを謂うなり.
其の左を腎と為し、右を命門と為す.
命門は、謂うところ精神の舎る所なり.
男子は以て精を蔵し、女子は以て胞を繋ぐ.
其の気は腎と通ずる.
故に臓は六つ有ると言うなり.

腑は五つありとは、何ぞや?
然り.
五臓は各々一腑、三焦もまた是れ一腑なり.
然れども五臓に属せず、故に腑は五つ有りと言うべし.