難経

 

五十難


◆五十難曰.
病有虚邪.有實邪.有賊邪.有微邪.有正邪.何以別之.
然.
從後來者.爲虚邪.
從前來者.爲實邪.
從所不勝來者.爲賊邪.
從所勝來者.爲微邪.
自病者.爲正邪.

何以言之.
假令心病.
中風得之.爲虚邪.
傷暑得之.爲正邪.
飮食勞倦得之.爲實邪.
傷寒得之.爲微邪.
中濕得之.爲賊邪.

五十難に曰く.
病に虚邪あり、実邪あり、賊邪あり、微邪あり、正邪あり、何を以て之を別つや?
然り.
後より来る者を、虚邪と為し.
前より来る者を、実邪と為し.
勝たざる所より来る者を、賊邪と為し.
勝つ所より来る者を、微邪と為し.
自から病む者を、正邪と為す.

何を以てか之を言えば、
仮令(たとえば)心が病みて、
中風之を得るを、虚邪と為し、
傷暑之を得るを、正邪と為し、
飲食労倦之を得るを、実邪と為し、
傷寒之を得るを、微邪と為し、
中湿之を得るを、賊邪と為すなり.