難経

 

五十一難


◆五十一難曰.
病有欲得温者.有欲得寒者.有欲得見人者.有不欲得見人者.而各不同.病在何藏府也.
然.
病欲得寒.而欲見人者.病在府也.
病欲得温.而不欲得見人者.病在藏也.
何以言之.
府者陽也.陽病欲得寒.又欲見人.
藏者陰也.陰病欲得温.又欲閉戸獨處.惡聞人聲.
故以別知藏府之病也.

五十一難に曰く.
病に温を得ること欲する者あり、寒を得んと欲する者あり、人を見ること得んと欲する者あり、人を見ること得ることを欲せざる者あり、而して各々同じからず.病は何の臓腑に在るや?
然り.
病が寒を得ること欲し、人を見ること欲する者は、病は腑にあり.
病が温を得ること欲し、人を見ること欲せざる者は、病は臓にあるなり.
何を以てかこれを言えば、
腑は陽なり、陽病は寒を得んと欲し、又人を見ること欲す.
臓は陰なり、陰病は温を得んと欲し、又戸を閉じ独り処して、人の声を聞くことを悪む(にくむ).
故に以て臓腑の病を別ち知るなり.