難経

 

六十難


◆六十難曰.
頭心之病.有厥痛.有眞痛.何謂也.
然.
手三陽之脉.受風寒.伏留而不去者.名厥頭痛.
入連在腦者.名眞頭痛.
其五藏氣相干.名厥心痛.
其痛甚.但在心.手足青者.即名眞心痛.
其眞心痛者.旦發夕死.夕發旦死.

六十難に曰く.
頭身の病に、厥痛あり、真痛ありとは、何の謂いぞや?
然り.
手の三陽の脈が、風寒を受け、伏留して去らざる者を、名づけて厥頭痛となす.
入りて脳に連在する者を、名づけて真頭痛という.
其の五臓の気が相い干するを、名づけて厥心痛という.
其の痛み甚だしく、但だ心に在り、手足が青なる(ひえる)ものを名づけて真心痛という.
其の真心痛なる者は、旦(あした、あさ)に発すれば夕べに死し、夕べに発すれば旦(あした、あさ)に死す.