難経

 

六十一難


◆六十一難曰.
經言.
望而知之.謂之神.
聞而知之.謂之聖.
問而知之.謂之工.
切脉而知之.謂之巧.何謂也.
然.
望而知之者.望見其五色.以知其病.
聞而知之者.聞其五音.以別其病.
問而知之者.問其所欲五味.以知其病所起所在也.
切脉而知之者.診其寸口.視其虚實.以知其病在何藏府也.
經言.
以外知之.曰聖.
以内知之.曰神.此之謂也.

六十一難に曰う.
経に言う.
望みて之を知るを、之を神と謂い、
聴きて之を知るを、之を聖と謂い、
問いて之を知るを、之を工と謂い、
切脉して之を知るを、之を巧と謂う、とは何の謂いぞや?
然り.
望みて之を知るとは、其の五色を見て、以て其の病を知る.
聞きて之を知るとは、其の五音を聞きて、以て其の病を別つ.
問いて之を知るとは、其の欲する所の五味を問いて、以て其の病の起る所の所在を知るなり.
切脉して之を知るとは、其の寸口を診て、其の虚実を視て、其の病の何れの臓腑に在るかを知るなり.
経に言う.
外を以て之を知るは、曰く聖といい.
内を以て之を知るは、曰く神という.此れ之の謂いなり.