難経

 

六十九難


◆六十九難曰.
經言.
虚者補之.實者瀉之.不虚不實以經取之.何謂也.
然.虚者補其母.實者瀉其子.當先補之.然後瀉之.
不實不虚.以經取之者.是正經自生病.不中他邪也.當自取其經.故言以經取之.

六十九難に曰く、経に言う、「虚する者は之を補い、実する者は之を瀉し、虚せず実せざれば経を以て之を取る」とは、何の謂いぞや.
然り、虚する者は其の母を補い、実する者は其の子を瀉すなり.当に先ず之を補し、然る後に之を瀉すべきなり.
実せず虚ざるは経を以て之を取るとは、是れ正経の自ら病を生じ、他の邪に中らざるなれば、当に自ら其の経を取るべきなり.故に経を以て之を取るというなり.