難経

 

七十八難


◆七十八難曰.鍼有補瀉.何謂也.
然.補瀉之法.非必呼吸出内鍼也.
知爲鍼者.信其左.
不知爲鍼者.信其右.
當刺之時.必先以左手.厭按所鍼滎兪之處.彈而努之.爪而下之.其氣之來.如動脉之状.順鍼而刺之.
得氣因推而内之.是謂補.
動而伸之.是謂瀉.
不得氣.乃與男外女内.
不得氣.是謂十死不治也.

七十八難に曰く、鍼に補瀉ありとは何の謂いぞや?
然り、補瀉の法は、必ずしも呼吸出内の針にに非ざるなり.
然り、針を為すことを知る者は其の左を信じ、
針をなすことを知らざる者は其の右を信ずるなり.
当に之を刺す時は、先づ左手を以て針する所の榮兪の処を厭按し、弾じて之を努し爪して之に下す.其の気の来ること動脈の状(さま)の如くにして鍼を順にして之を刺し、気を得て推して之を内(いる)る是を補と謂う.動じて之を伸ぶるを是れ瀉と謂う.
気を得ざれば乃ち男は外に、女は内に与(あた)う.気を得ざれば是れ十死して治せずと謂うなり.